職場における断酒・節酒の選び方

 アルコール依存症は、①通院、②服薬、③自助グループが治療の3本柱です。

 治療の3本柱があるものの、治療方針に節酒という選択肢が挙げられています。断酒を目標としつつ、断酒が難しいケースでは当面の目標を節酒とする場合があります。

 治療方針が節酒となった場合、職場側はどのような対応をとるでしょうか。特に休職中の場合、会社側の復帰条件として断酒を提示される場合があります。

 日本アルコール関連問題学会「新アルコール・薬物使用障害の診断治療ガイドラインに基づいたアルコール依存症の診断治療の手引き」が出されています。これを踏まえ、職場での断酒・節酒の選択を考えていきます。

会社が節酒を受け入れるか提示する

 休職中の場合、復帰条件は会社側で決めて伝えます。
 抑うつ状態を伴っていれば、飲酒による増悪のリスクが高いです。
 営業では、酒の臭いがしたまま客先に出すわけにはいきません。
 酩酊下や周囲のトラブルが発生していた場合、脱抑制やイライラに作用する飲酒をさせるわけにはいきません。
 酒が抜けず月曜日に突然休むことも避けたいものです。
 飲酒により自殺のリスクが高まるため、自殺未遂歴も復帰は慎重になるものです。

 何でもかんでも復帰はダメ、とするのは難しいものの、これまでの会社で懸念している行動の有無から節酒を許容できるかどうか判断していきます。節酒では職場で受け入れられない場合、これまでの飲酒関連エピソードを踏まえて働くうえでは断酒が必要な旨を伝えます。

現場や周囲の意見も踏まえる

 節酒の場合、飲酒関連行動が出るものとして対応することになります。職場が受け入れられるかは確認しています。飲酒関連行動で職場側がうんざりしている場合、断酒しないと復帰時に関係を悪くすることも考えられます。

 家族が職場や健康管理室に相談する場合もあります。「医療機関にやっとつながったので、断酒まで軌道に乗っけてから復帰させてほしい」という場合は、断酒を提示するほうが家族の支援が期待できます。本人の状態と復帰意思を確認しながら、関係者が同じ目標を目指せるようにします。
 逆に「家にずっといると暴力やイライラで怖いので、休ませないでほしい」と言われることもあります。この場合は出勤できる体調でなければ休ませる旨を伝え、出勤できるか判断します。

断酒の絶対的適応

 医療が断酒を指示することがあり、この場合は休職になることが多いです。命の危険があるときは働かせてはいけません。まずは体調を整えてから戻りましょう。

  • 入院治療を要する状態
  • 飲酒に伴う問題が重篤なため、社会・家庭生活が困難
  • 臓器障害が重篤
  • 治療を要するアルコール離脱症状(幻覚、けいれん、振戦など)がある

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