「病気なのか怠けなのか」

 「この子は症状なのかただの怠けなのか見てほしい」

 親子で受診し、親からの話を聞くとこのような相談を受けることがあります。この質問は、すぐ答えは出ないものの、対応を考える上で大事な質問になります。

「なまけ」で想起されるもの

 怠けている、と周りが感じるのはどんな時でしょうか。

  • 動けない、いつも横になっている
  • よく遅刻する
  • 朝、職場に行きたがらないが、夕方になると元気

など「怠け」と感じるものでも背景のエピソードは多様です。

 動けないのは抑うつ状態など、調子悪いのが背景にあります。時間経過とともに回復するので待つのがよいです。これが半年なり長期にわたると、薬剤が処方されていることが多いです。調子が上がると鎮静のかかる薬が重荷に感じることがあり、薬剤調整を主治医と相談してみましょう。臥床期間が長いと動き出しがしんどくなります。家族や友人が無理やり引っ張るなど、最初は周囲の力を借りることもあります。

 遅刻が多いのは不調のほか、神経発達症にも出てきます。調子悪ければ休んで生活リズムの再構築も視野に入ります。神経発達症ではどのタイミングで遅刻するか(朝起きれない、ご飯に時間がかかる、電車を乗り過ごす、など)を確認し、対策を立てます。

 夕方になるにつれて元気、は抑うつの日内変動でよくありますが、休みが決まったら元気になる場合は環境要因も考えられます。すぐに原因を話すのは抵抗があるかもしれません。言いたくなった時に話してもらうスタンスが良いでしょう。

なぜこの質問が出るのか

 最初の質問について、なぜこのような質問が出るのか考えてみます。

  • 症状であれば受け入れられる
  • 怠けであれば叱ればよいか

 何かしらの症状や病名がつくことで、モヤモヤしていた気持ちの落とし所ができて落ち着くようです。不安が具体化することで、対策も見えてくる感じです。

 怠けであれば叱ればよいのでしょうか。叱ることがなければ最初だけは効果があるものの、次第に慣れてしまい叱ることでの行動変化は少なくなります。職場の場合はパワハラにもなりかねないので、おすすめしません。理由がわかると周囲も対策を立てることができるので、まずは理由を聞くところから始めてみましょう。

 話を聞いて対策を考える。叱る優先度は高くないのは怠けか否かに関わらず共通の対応です。この質問に明確に答えない医師やスタッフは、決して悪意で答えないわけではないと言うことです。

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