アルコールによる行動への影響①

 「酒は百薬の長」という言葉をご存知でしょうか。

 医療者からこの言葉が出たわけではなく、酒の販売業者から宣伝文句として言われていたようです。
 大酒家がこの言葉を言い出し、家族に怒られる。検査をすると糖尿病が悪化している。本人をよそに、一緒にきた家族と主治医がため息をつく。どこが薬なんだ、と。

 お酒の問題は本人より周りが困る問題です。熱く語っても響かず、ごまかしが増えて医療側も振り回され、診療をお断りされることがあります。

 アルコール依存は日本に400万人いると推計され、どこの職場でも遭遇します。

 アルコールによる職場での行動をよくある相談例で取り上げます。

夜間のクレーム電話

 夜12時。長時間労働への規制が厳しくなり、社長1人で残業しています。

 そこに一本の電話が鳴り響く。

 「昼間言えなかったけど、接遇ってどういうこと?私が間違えてるとは思えないけど」

 うちの営業からのクレーム。飲んだからかけたのだろうか。呂律も回ってない。昼間は何も反論せず「承知しました」だったのに。何があった?

 せっかくの機会なので傾聴してみることにした。話の飛躍が多く、何を言ってるのかわからない。切ろうとすると突然泣きじゃくり、切るに切れない。

 営業が落ちついたところで電話を切り、時計は2時を過ぎている。丑三つ時。これがお礼参りというやつか。帳簿を徹夜で仕上げるか…

 次の日に彼は普通に出社。電話した気もするが覚えていない、と。俺のあの時間はなんだったんだ!

飲酒による行動への影響

 元々緊張や抑制の強い人が、飲酒により抑制がとれた状態で、昼間のことでイライラか納得できず電話したようです。

 泥酔やもうろうとした状態により、号泣や電話したこと自体を覚えていないでしょう。話を聞いてもらった、という気にはなっていません。

対策

 泥酔している時は話し合いができません。約束事は「覚えていない」と言われてしまうので、泥酔しているならその場で電話を切ります。

 傾聴はしらふの時に行い、飲酒時は対応しません。

 電話は原則夜間は取りつがないのがよいですが、納期間近や医師当直からの電話もあります。状態や相談の内容により、緊急であれば話を続けます。様子が怪しい・急ぎでなければ明日対応と伝え、電話を切ります。

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